ThinkPadX280 レビュー:薄く軽くなってより使い勝手が良くなったThinkPad

私はこれまでWindowsマシンとして3台ほどThinkPadを乗り継いできたThinkPadユーザーです。

現在は12.5インチモデルのThinkPadの「ThinkPad X280」をメイン機として1年以上使い続けています。

この記事では私がThinkPadを使い続ける理由やThinkPad X280を1年以上使ってみた率直な感想を書いていきます。

ThinkPadの特徴

ThinkPadの特徴をざっくり挙げると以下の通りになります

  • 黒を基調とした艶消しの黒色のボディ(伝統のデザイン)
  • ボディの天板とパームレストにThinkPadのロゴ
  • キーボード中央に「赤ぽち」ことトラックポイントが搭載
  • 打鍵感の評価が高いキーボード
  • 高い耐久性

ThinkPadの特徴の中でも特筆すべきはやはりトラックポイントの存在ですね。

トラックポイントを使いたいからThinkPadを選択しているという人もいらっしゃるのではないでしょうか?

少なくとも私がThinkPadを好んで使い続ける理由の一つにはトラックポイントを使いたいからという理由があります。

ただ、トラックポイントが一体どういった物なのかわからない人にとっては謎の存在ですよね。

私もThinkPadに出会う前はトラックポイントのことを謎の赤ぽちという程度の存在に感じていました。

今ではどのキーボードを使っていても無意識にトラックポイントを探してしまう程には依存しています。

トラックポイントのメリットはなんといってもタイピング時に手のポジションをほとんどずらさずにポインター操作が可能である事です。

タイピング時に手のポジションをほとんどずらす必要がないことはタイピングの安定性の向上にも作業時間の短縮にも繋がっていると私は感じています。

確かにトラックポイントの操作に最初は少し慣れが必要かもしれません。

ただ慣れてしまったらもうトラックポイント無しには戻れないでしょう。

それほどまでに中毒性の高い…ユーザビリティの高い機能です。

ThinkPadは他にもキーボードの打鍵感の評価が高いことや、本体の耐久性が高く丈夫なPCであることでも知られています。

本体の耐久性が高い点は私がThinkPadを使い続ける理由の一つでもあります。

やはりノートパソコンという製品の特性上持ち運んだり様々な場所でPCを使用する事があります。

そういった際にパソコンを落下させてしまったり、飲み物をこぼしてしまったり等のトラブルはつきものです。

私も過去に同じ様な体験をした事があり、PCが壊れてしまい辛い思いをした事があるのでちょっとやそっとじゃ壊れない耐久性の高いパソコンを求めていました。

ThinkPadは開発段階でかなり過酷な耐久テストが行われておりノートパソコンの中でもトップレベルの耐久性が証明されている製品でもあります。

そんな耐久性の高さで知られるThinkPadでも機械である以上故障する事もあります。

万が一故障してしまった場合もThinkPadは保守マニュアルが提供されているので保守マニュアルに従ってパーツを交換する事で修理する事も可能です。(※全てのパーツが交換可能なわけではありません)

私も過去に故障したわけではないのですが、キーボードをバックライト搭載のキーボードに換装したり、ディスプレイをマルチタッチディスプレイに換装したりする際に保守マニュアルにはお世話になりました。

メンテナンス性能の良さもPCを長く使う事を考えるのであれば大事な要素ですよね。

ThinkPad X280のスペック紹介

私が現在愛用しているLenovo ThinkPad X280のスペックを紹介します。

CPUIntel Core i5-8250U
メモリ16GB DDR4 2400 MB
ストレージ512GB SSD M.2 2280 NVMe OPAL2
ディスプレイ・12.5 FHD IPS AG 300N Touch
・マルチタッチ機能搭載
OSWindows10 Home
カメラ・720p HD Camera 
・ThinkShutter搭載
バッテリー6cell 48Wh
充電端子Type-C
NFCNFC搭載
インターフェース・USB3.0 ×2
・USB Type-C ×1
・Thunderbolt ×1
・HDMI
・有線LAN(接続にはドングルが必要)
・MicroSDカードスロット

ThinkPad X280は先代のX270と比べて本体の厚みは薄くなり、重量は軽量化されています。

12.5インチサイズ等の持ち運びする事が想定されるPCには本体の重量や軽さはやはり重要な要素だと思います。

ThinkPadはどちらかといえば同サイズ帯のPCの中では厚く、重いPCというイメージがある人も少なくないのではないでしょうか。

ThinkPad X280ではそのイメージを良い意味で裏切ったと言う様に私は感じました。

ちなみにバッテリーについては先代のX270が2つ搭載されていたのに対してX280では1つのみになりました。

ThinkPad X280では外側から脱着可能なバッテリーがなくなり、バッテリーは本体内部に搭載されている物一つのみという仕様になりました

バッテリーが1つになった事でホットスワップ(電源を入れてままバッテリー交換ができる機能)ができなくなってしまったのは個人的に残念な点だと購入した当初は感じていました。

しかし、購入してから1年間以上ThinkPad X280を使用してみた結果ホットスワップができない事について私は全く気になりませんでした。

理由はバッテリー容量が気になるのであればモバイルバッテリーを持ち歩いた方が良くない?と考えている為です。

ThinkPadでしか使えないバッテリーを複数持ち歩くよりThinkPadにも使えるバッテリーを持っていた方が何かと便利なことが多いですよね。

他にはThinkPad X280ではメモリがオンボードチップになった為、後から追加や交換ができない仕様となっています。(交換するにはマザーボードごと交換する必要がある)

ThinkPad X280の購入を検討されている方はこの点を注意して頂ければと思います。

外観と使用感について

タッチパッドの横にある黒いくぼみの様な物は指紋センサーです。

指紋を登録しておく事でロックを解除する事ができるのでパスワード入力の手間がいらないので便利です。

生体認証が使える点はセキュリティ的な面でもGoodだと思います。

CTOモデルのThinkPad X280はオプションでマルチタッチディスプレイを搭載する事が可能です。

マルチタッチディスプレイを搭載したThinkPad X280ならPCをタブレットの様に操作する事が出来ます。

私のThinkPad X280にもマルチタッチディスプレイが搭載されています。

ただ個人的にはこのマルチタッチディスプレイは不要だと感じています。

購入当初はそれなりに気に入って使っていたのですがやはり手で触った時に画面に指紋が残るのが嫌で使わなくなりました。

どうしてもPCにタブレットの様な操作感を求める方でしたらお勧めできますが、そうでないのなら正直いらないと思います。

ベゼルについては、最近のノートパソコンでは狭額縁のモデルが多いですがThinkPad X280のベゼルは狭額縁ではありません。

天板にはThinkPadのロゴがあり、iの字の上部が赤く光ります。

スリープ時は点滅するなど、使用状況に応じて光り方のパターンが変化します。

PCの使用状況が第三者から判別可能となってしまうため、セキュリティ的な観点から見るとどうなのかという意見も存在するみたいですが個人的には気に入っています。

CapsLockキー等の特定のキーのバックライトは先代のX270までのオレンジとグリーンのバックライトから青白い色のライトに変更になりました。

ライトの色が統一された事でよりクールな印象になったのではないでしょうか。

個人的にはライトの色が統一されたThinkPad X280の仕様の方が好みです。

ThinkPad X280のキーボードには先代のThinkPad X270等と同様にパンタグラフ方式キースイッチが採用されています。

打鍵音については通常の力で打っている限りは比較的静かな印象です。

カフェなど静かな場所でThinkPad X280をタイピングしていても打鍵音が目立ったり、うるさかったりという事は無いと思います。

打鍵感についてはX270等の以前のXシリーズの物と比較すると若干キーの反発力が強めな印象を受けました。

打鍵感を擬音で表現するのであれば「サクサク」といった感じでしょうか…

私個人的にはこの「サクサク」とした打鍵感は気に入ってます。

ただThinkPad X280のキーボードについて気になる点が一つだけあります。

上の画像の赤枠で囲んだ場所のキーを見て頂けるとわかると思うのですが、他のキーと比べて若干キーサイズが小さいんですよね。

キーサイズが一部だけ異なるととブラインドタッチしている時等にキーの位置を見失ってしまう事があるのでここは唯一気になる点です。

特に小さくなっているキーはプログラミングする際によく使用するキーだったりするのでそれなりに気になります。

ちなみに私の愛用しているThinkPad X280に搭載されているキーボードは日本語配列のキーボードなのですが

英語配列のキーボードではキーサイズが統一されている様なのでもし今のキーボードが故障した場合は英語配列のキーボードに換装するのもアリかなと考えています。

私が愛用しているThinkPad X280はバックライト付きのキーボードが搭載されています。(バックライトなしのモデルも存在します)

キーボードのバックライトは先代のX270と同様に青白い色のライトが搭載されており3段階(消灯/ライト1段階/ライト2段階)切り替える事ができます。

さらにキーボード中央にはThinkPadの特徴でもある「トラックポイント」が搭載されています。

ThinkPad X280に搭載されているトラックポイントには先代のX270と異なる点があります。

X280にはX270等に採用されていた「ロープロファイルトラックポイントキャップ」より薄くなった「スーパーロープロファイルトラックポイントキャップ」が採用されています。

もちろん変わったのはキャップだけでなく内部のトラックポイントユニットも小型化しています。

左:スーパーロープロファイルトラックポイントキャップ
右:ロープロファイルトラックポイントキャップ    

ただ、ThinkPad X280に限った話ではないのですがトラックポイントについては気になる点が一点あります。

それは、トラックポイントを長時間操作し続けた場合などにマウスポインターが勝手に移動してしまういわゆる「ドリフト現象」が発生する事があるという点です。

この問題はトラックポイントユーザーの中ではあるあるな話なのですが、ThinkPad X280でもこのドリフト現象が発生する問題は解消されていないみたいです。

ちなみにこの「ドリフト現象」についてはトラックポイントの特性であり、故障ではないとの事です。

ThinkPad X280では先代のThinkPad X270などと同様にディスプレイを180°まで開く事が出来ます。

ノートパソコンをスタンドに置いてサブディスプレイの様に使用するスタイルではこのディスプレイが180°まで開くというのはスタンドの角度に悩まされないので地味にありがたいです。

こちらはThinkPad X280の左側面を写した画像になります。

接続端子は画像一番左から紹介すると…

・USB3.1 Type-C

・USB3.1 Type-C(Thunderbolt3)

・イーサーネット拡張コネクター2

・USB3.0

・HDMI

・マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック

の様になっております。

注意点としてLANケーブルの接続には別途アダプタが必要になります。

正直この点は有線でLAN接続したい人にはマイナスポイントに感じると思います。

ちなみに私は有線でLAN接続する機会がほとんどない為あまり気になっていません。

こちらはThinkPad X280の右側面になります。

一番右から紹介すると…

・セキュリティー・キーホール

・USB3.0(Powered USB)

・排熱用ダクト

となっております。

正直、接続端子が充実しているかどうかに関しては人それぞれのPCの使い方や接続する機器の数によって評価が変わると思うので一概に良いとは言えないと考えています。

あくまで私の使い方にはこのThinkPad X280の接続端子の構成はちょうど良いと感じました。

ThinkShutterで内蔵カメラを物理的に隠している状態
内蔵カメラが使用可能な状態

こちらはディスプレイ上部に搭載されている内蔵カメラを物理的に隠す事が可能な機能である「Think Shutter」です。

近年はセキュリティ上の観点から内蔵カメラをテープなどで隠している人をよく見かけます。

私も以前使用していたThinkPadはThinkShutterが搭載されていないモデルであったので黒いビニールテープを貼って内蔵カメラを隠していました。

しかしテープを貼る方法ではカメラを使用したい場合使う前にテープを剥がす作業が必要になります。

これはめんどくさいですね。なんならテープのベタベタとかが残ってしまったら最悪です。

特に最近はリモートワークやオンラインミーティングをする機会が増えPCの内蔵カメラを使用する頻度が増えた人は少なくないのではないでしょうか。

この様なニーズを見事に満たしてくれるThinkShutterは個人的に素晴らしい機能だと感じています。

ThinkShutterはワンタッチでカメラを隠したり使用可能な状態に切り替える事が可能です。

基本的にカメラは隠していたいけど使用する場合はさっと使いたいという感じている人にはおすすめできる機能です。

ちなみにこのThinkShutterはThinkPad X280以外にも搭載されているモデルがありますので興味のある人は調べてみてください!

トラックパッドの上部には物理ボタンが搭載されています。

物理ボタンの配置についてはトラックポイントを使用する想定で上部に配置されているのではないかと勝手に考えています。

トラックポイントを人差し指で操作したときにちょうど親指の位置にボタンが配置されているのでトラックポイントと合わせて使用する事で操作性の高さをより良く感じられます。

ちなみに私が購入したThinkPad X280はNFCに対応しています。

おなじくNFC機能に対応している機器をタッチパッド上部にあるNFCマークにかざす事で接続する事が可能です。

まとめ

私がThinkPad X280を使用してみた感想をまとめると以下の通りになります。

  • 薄型化、軽量化された事で携帯性がより良くなった
  • 日本語配列のキーボードはキーサイズが一定ではないキーがあるのでキーのサイズに敏感な人は英語配列のモデルがおすすめ
  • 打鍵感は従来のX270等に比べてキーの反発力が若干強いように感じる
  • パンタグラフ式のキーボードを搭載しており打鍵音は静か
  • 内蔵カメラを物理的に隠すことのできるThinkShutterが素晴らしい
  • トラックポイントの操作に慣れてしまえばこれほど便利な物はない
  • マルチタッチディスプレイはPCでタブレットの様な操作感が欲しい人のみおすすめ。(そうでなければ正直いらない)
  • 12.5インチモデルのThinkPadとしてかなり洗練されたモデルだと感じた

今後Lenovoが12.5インチモデルのThinkPadの新製品を発表するかはわかりませんが、個人的にはこのThinkPad X280を超えるマシンが誕生する事を祈っています。